【実録】わが社の在宅勤務Ⅳ〜同居生活編〜
仕事の時間も自宅にいるということは、単純に一緒に暮らす家族やパートナーと過ごす時間が増えるということにつながります。
外出自粛・禁止のネガティブな効果としてDV被害の増加が叫ばれていたり、「コロナ離婚」なんていう言葉が流行ったりもしていますね。一方で、家族間のふれあいやコミュニケーションが増えるというポジティブな見方もあります。
さて、ピクスタの在宅勤務事情について、リアルな声をお届けしているこの「わが社の在宅勤務」シリーズ。4回目の今回は、同居者がいるメンバーの生活や関係性の変化についてお伝えしていきます!
総合編
アンケートに協力してくれたピクスタの従業員のうち、同居している家族やパートナーがいると回答したのは47名。まずは、在宅勤務になってからの同居者との関係性の変化について聞いてみました。
[調査概要]
調査名称:在宅勤務に関する従業員アンケート2
実施期間:2020年4月14日〜4月20日
回答対象:ピクスタ株式会社の全従業員のうち、同居人がいる従業員
有効回答:47名
結果はこちら。6割のメンバーが、関係性は「変わらない」ようです。他方、変わった派としては全体のおよそ35%のメンバーが「とても良くなった」「まぁまぁ良くなった」と回答。そして一部「やや悪くなった」人も……。
さて、では関係性が良くなった(悪くなった)要因はいったいどこにあるのでしょうか。
それぞれの理由も聞いてみました。
良くなった派
平日の生活リズムが一緒になり、食事などで一緒に過ごすことが増えた
家事や育児の分担の幅が広がって、家族に任せきりのことが減った
お互いに話しかけないで欲しい/話しかけていいタイミングや予定など、細かいことでもコミュニケーションをとるようになったので、結果的に仲がよくなった
変わらない派
もともと休日は家でそれぞれ好きなことをしていたため、平日も家にいるようになっても今までと変わらない
仕事をする部屋と家族のいる部屋が離れているため、良い距離感が取れている
一緒にお酒を飲む機会は増えたが、元々一緒に飲むことが多かった
在宅勤務を機に十数年ぶりに実家に帰ってきたが、それまでの定期的な帰省でも関係を維持できていた
やや悪くなった派
家事負担について少し揉めた。ストレスで互いに憂鬱になって空気が悪くなることがある
狭い部屋に2人で住んでいると、同じ空間にいる時間が長すぎる
トイレや電子レンジの使用タイミングなど、細かな行動に支障が出ている
様々ですね。さて、関係性への影響要因として家事を理由に挙げているメンバーもみられますが、在宅勤務によって家事の分担状況はどのように変わったのでしょうか。
約半数のメンバーは特に変わらない一方で、それに拮抗する約42%が「とても増えた」「やや増えた」と回答しています。元々の家事分担にもよりますが、やはり家にいる時間が長くなると、家事に時間を使いやすいようです。
ちなみに、この家事負担の増減と先ほどの関係性の変化の結果を掛け合わせてみると、家事負担が「変わらない」と答えたうちの8割近くが関係性も「変わらない」と答えているのに対し、家事負担が変化したメンバーでは、関係性が「変わらない」と「良くなった」がほぼ同じ割合でした。
家事負担割合の変化が関係性の変化に影響しやすい、ということは数値的にも明らかなようです。共同生活としてのあり方が良くわかる結果となりました。
さて、そんな共同生活をより良く送るために、ピクスタメンバーが工夫している点や家庭内ルールがこちらです!
予定の共有
毎朝お互いのスケジュールを確認し、それに合わせて家事の分担や食事の時間を決める
会議、ミーティングの予定は共有しておき、予定が入っていない方が極力子どもの面倒をみるようにする
時間を区切って交代で在宅勤務をしている ・夕食前に仕事終了予定時間を伝える
生活スペースと仕事スペースの分離
仕事用に個室を確保して、仕事をしないときはそこから出る
ミーティングの時は家族とは別の部屋へ行く
家事・育児の分担
家族それぞれに家事の役割を決めた
家事は手の空いたほうがやる
自分のことは自分でする、自分が気になる事は自分でやる
食事はどちらかの負担になり過ぎないように交互に作る
心身の健康と思いやり
1日に1回は外に出て、1万歩を目標に散歩をする
今どういう状況なのかを家族に伝え、余裕がない時も決して怒らない
お互いに干渉しすぎず、適度な距離をとる
家族への思いやりを持つ
規則正しい生活を心がけ、細かな不満が生まれないようにする。休日は夫婦それぞれの自由時間を設ける
家事や作業場所などのハード面での工夫だけではなく、思いやりや心身の健康など、自分についても相手についてもソフト面のケアを心がけている人が多い結果となりました。普段は近すぎて忘れがちですが、自分も家族もパートナーも一人の人間。心や身体の余裕が大事ということですね。
子どもといっしょ!編
さて、同居人とひとくちに言ってもその関係性や構成は様々。子どもがいる家庭もあれば、夫婦二人暮らしや、両親兄弟と同居中のメンバー、またルームシェアや同棲中のメンバーなどなど、いろいろな形態がありますね。
特に学校が長期休校になっていた地域も多いことから、子どもがいるといないとでは、家での過ごし方は大きく異なってくるでしょう。そこで、ここからは特に子どもがいるメンバーの様子をピックアップしていきます!
同居者のいる47名のうち、子どもがいるのは24名のメンバー。さっそく、子どもの年齢を訊いてみました。(複数回答あり)
なんと24名のうち、およそ8割にのぼる19名の家庭で未就学の子どもがいるという結果に。この未就学児の多さも相まってか、休校などの措置も併せて24名中23名の家庭で、日中に子どもが家庭にいる状況でした。なかなか目を離すことのできない中で仕事との両立をしているメンバーの多さがわかります。
在宅勤務になってオンラインでのミーティングを行う中で、子どもの姿や声を見聞きすることもよくあります。中には泣き止まない子を膝の上であやしながら参加するメンバーもいたり、ミーティング中に話しかけられて突然パパ・ママの顔になるメンバーもいたり。
見ている側としては微笑ましく見守っているものですが、当事者はそうも言っていられないことでしょう。およそ7割が仕事中の子ども乱入を経験していました。
さらに学年別で見てみると、未就学の子どもが最多と思いきや、小学校低学年の子どもの乱入率が最も高い模様。より動き回ったり話したりと動きが活発になるほど大変さも増すようです。
子どもの乱入への各メンバーの対策方法も訊いてみました。
未就学児のパパ・ママ編
ウォークインクローゼットに避難している
家族が交代で子供を散歩に連れ出したり、面倒を見たりしている
子どもを親に見てもらっている
タブレットで動画などを観せている
保育園でオンライン授業やワークシートを提供してくれているのでそれを渡している
仕事をしている部屋に入るときのルール(基本は話しかけない、入る時はノックするなど)や時間の区切りを子どもと話して決めている
小学生のパパ・ママ編
近所のママ友と連携して公園などに連れ出すようにしている
部屋に入ってはいけない時間を伝え、必要があればメッセージで連絡している
子どもが宿題をやっている時間と自分が集中して仕事を進める時間を合わせている・部屋に入るときはノックしてもらうようにしている
基本的には子供だけで過ごしてくれていて、たまに乱入されてもそんなに邪魔ではないので特にこれといった対策はしていない。 仕事中は母の顔をしないようにしている
配偶者や両親、近所の方など、周囲の方と助け合っている人が多いですね。つくづく、子育ては一人でするものではないと感じられます。
他方で、子どもとのコミュニケーションで在宅勤務時のルールを作っているメンバーも見かけられました。前半でお伝えした家事分担の変化ともつながりますが、大人も子どもも関係なく、ルールや責任の分担など、共に生きる相手への配慮や尊重がより求められる環境であるということですね。
さて、様々な工夫で子どもの乱入を防いでいるとはいえ、仕事も育児もどちらも大切にするため、メンバーたちが工夫していることについても訊いてみました。
集中作業は子どもの寝ている早朝か深夜にする
定期的に子どもと短い会話を交わす
これで退勤と区切ったあとは仕事のことは考えず、家のことに集中する
夫婦間でできるだけ家事・育児が平等になるような生活スケジュールをつくり、それを守って生活する
カジュアルなMTGには子どもを抱っこして、重要なMTGや面接などは家族に任せる、などのメリハリをつける
食事は一緒に食べ、仕事後は子どもと時間を過ごす
一日を前半と後半に分けて、交代で世話をする。定期的に親に手伝ってもらう
集中したいタイミングをあらかじめ伝えておく
家事・育児は一人に負荷がかからないようにみんなでする
公園等、1日1回は子どもを外に連れ出す
いろいろな工夫がみられました! 中でも、集中するタイミングと子どもの相手をするタイミングを分けるべく、家族で協力しながらメリハリをつけている人が多くいました。こんな協力体制や分担を話し合うことも、またコミュニケーションの一つになっているのだと思います。
さて、ここまで仕事と家事・育児の両立にスポットライトを当ててきましたが、在宅勤務が子どもとの関係性に変化や新たな発見をもたらしてくれた一面もあったようです。
子どもと接する時間、子どもに向き合う時間、子どものことを考える時間が増えた
もっと仕事部屋へ乱入してくるかなと思ってたが、話あって決めたルールを守ってくれていて、意外なところで成長を感じた。家事をやってくれるようになり、助かっている
仕事中も外で子供の笑い声や楽しそうな姿が見えたときは心がやすらぐ
子どもの写真や動画を撮れるタイミングが増えた。毎日一緒に散歩するなどの癒しタイムも増えた
自然と家族間で過ごす時間が多くなったが、思っていた以上に兄弟同士が仲が良いことに気づいた
一緒に晩御飯を食べられるようになった。全員でご飯を食べるときに息子が幸せそう
新しい言葉を習得したり、新しく興味があるものが増えたりと、新しい「できた!」の瞬間に立ち会えるようになり、子どもの成長を感じる機会が増えた・家族が家事に協力してくれる。近所のママ友と連携して公園で子どもを見守ることで、お友達も増えた
保育園が休園中もオンライン授業やホームワーク等家でできる活動を最大限提案してくれており、保育園のありがたみを感じるようになった
オンライン MTGで笑いながら仕事をしている姿を子どもたちが見て、「仕事って楽しいものなんだね!」と働くことに対するイメージアップができた
もちろん両立は大変なことではあるものの、子どもの成長を実感できる機会が増え、また子ども自身もお父さん・お母さんの新たな一面を見ることができるなど、良いことだってたくさんあるものですね。
おわりに
生活のなかで、最も身近な存在である家族やパートナー。家で過ごす時間がさらに増えたことにより、この数ヶ月でその関係性も大きな変化を余儀なくされるようになりました。より身近に、より多くの時間をともに過ごすことは、できればマイナスではなくプラスの変化に繋がってほしいものです。
ピクスタのメンバーも、手探りでそれぞれの最適なあり方を模索しているところですが、今回のアンケート結果が、変化への適応に戸惑いお困りの方にとって、少しでもお役に立てるものであれば幸いです。
(執筆:戦略人事部 採用担当 伊東祐美)