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PIXTAクリエイター向け「ユニバーサルマナー講座」開催!

 みなさんは「ユニバーサルマナー」をご存知ですか?

 ユニバーサルマナーとは、高齢者や障害者、ベビーカー利用者、外国人など、多様な方々に向き合うためのマインドとアクションのこと。 PIXTAでは、クリエイターさんたちに素材制作に活かしてもらうために、2018年12月9日に「PIXTAクリエイターのためのユニバーサルマナー講座」を開催しました。

4つの「ない」を解消して、ポジティブな障害者イメージの制作へ!

「障害者のアクティブなイメージや、使える素材って少ないんですよね……」

 というお声をいただき、開催したのが、今回の「PIXTAクリエイターのためのユニバーサルマナー講座」です。

 障害者をテーマに素材を制作しようと思うと、様々なハードルがあります。

 たとえば、車椅子や白杖、補助犬など、撮影に必要なものは、誰もが気軽に用意できるわけではありません。

 けれど一番の障壁は心理的なハードルです。

 それは素材の制作に関わらず、日頃、わたしたちが多様な方々と出会ったとき、どうしたらいいのかわからずに行動を躊躇してしまうのと同じなのかもしれません。

 わからない・知らない・できない・経験がないという「ない」から始まる様々な心理的な障壁を取り除くこと。それが、わたしたちにとっても、そして素材を制作するクリエイターにとっても大事な、でもとても大きな一歩になるはず。

 そう考えて、本当に求められている障害者の画像素材とはどんなものか、制作する上で必要な基礎知識や注意点、間違いやすいポイントなどをPIXTAクリエイターに伝える講座を開きました。

 協力してくださったのは、「ユニバーサルマナー検定」の開催をはじめ、様々な企業や自治体にもユニバーサルマナー研修を行っている株式会社ミライロの広報部長の岸田さん。

 ご自身も、知的障害をもつ弟さんと身体障害をもつお母さまがいらっしゃり、ミライロの起業メンバーのひとりで、「バリアバリュー」(障害があることを価値に変える)という企業理念の元、当事者の視点を伝え、活かすことに取り組んでいます。

クリエイターさんたちの意欲も上昇

 セミナーはライブ配信も行うなど、地方にお住まいのクリエイターさんたちも受講できるように工夫を凝らし、約40名が参加。

「写真の力で社会の役に立ちたい」 「ユニバーサルマナーを知りたい」 「正しい知識、マナーを身につけて撮影に活かしたい」 「最近、規制が多く、どうしていいのかがわからなくなっているから」 「オリンピックに向けて、ユニバーサルマナーに関するイラストを描くにあたって注意点を知りたい」

 など、意識も意欲も高いクリエイターのみなさんが集まってくれました。

車椅子の部位の紹介
実際に車椅子を操作する時の解説

 車椅子を描く時の注意点、車輪の向き、介助者がいるときといないときの違いなど、岸田さんの丁寧な講義のおかげで、セミナーの満足度は満点。

 どんなシーンで画像素材が求められているのかなどリアルな素材購入者の声も聞かせていただき、受講したクリエイターさんからは、「とても勉強になった」「具体的なニーズがわかってよかった」「知らない知識がたくさんあった」と喜びの声が集まりました。

 そして、参加者の大半が今後の制作に活かしたいと意欲を見せてくれました。

 中には、さっそく撮影イメージや、描きたいイラストを脳裏に描けた方もいて、セミナー会場を後にするクリエイターさんたちからは、

「家に帰ってさっそく描きます!」 「必要な素材を一式提供できるようにがんばります!」

 と、頼もしい発言も聞こえてきました。

写真やイラストの力で社会をより良くできたなら

 今回のセミナーの背景のひとつに、障害者の法定雇用率の引き上げがあります。今年の4月の法改正で障害者雇用率を、民間企業は2.0%から2.2%に、国や地方公共団体等は2.3%から2.5%に、都道府県等の教育委員会は2.2%から2.4%に増えました。また、対象となる事業主の範囲も、50人以上から45.5人以上に広がっています。

 そして、3年以内のうちに法定雇用率はさらに0.1%引き上げる方針が打ち出されています。

 企業は障害者の雇用に向けた準備と採用活動に力を入れていますし、雇用に限らずとも、障害を理由にしたサービス提供の拒絶が起きないよう、社内研修を行ったり、またその取り組みを社会に伝えるなど、「障害者」というテーマで様々なアプローチがはじまっています。

 同時に、障害者もより活発に、アクティブに社会進出し、自分を活かした働き方や、買い物、遊びなどイキイキと過ごせるようになってきています。

 障害者というとつい介助シーンや介護シーンといったイメージを思い浮かべがちですが、現在求められている障害者イメージはそればかりではないということ。

 自分らしく、イキイキと輝く生き方をしている人が増えているということ。

 そうやって活躍できる場所や、楽しめる環境があるということ。

 社会のイメージがそれに追いついていないなら、PIXTAは社会のイメージを変えられるぐらい、アクティブでポジティブな障害者イメージの素材を、当たり前に提供していきたいと思いました。 

ミライロさんもこの素材ならOKです!と言ってくれた素材は
こちら車椅子の男性 ビジネスの写真素材 - PIXTA

 今回、受講したクリエイターさんの中に、こんな風におっしゃった方がいました。

「写真には、誰かを元気にしたりポジティブな気持ちにする力があると思っています。今回学んだことのように、社会に対してメッセージ性の高い写真は今後も撮っていきたいし、写真で社会が良くなるなら、ぜひ力になりたいと思っています」

 クリエイターさんと気持ちをひとつに、ミライロさん監修による障害者イメージ素材の販売に向けて、準備を進めていきたいと思います。

 ミライロさん、「ユニバーサルマナー講座」に参加してくれたクリエイターのみなさん、ありがとうございました!

 

(執筆・撮影:経営企画部 小林順子)