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マーケティングで事業成長を牽引する。総力戦でピクスタを切り開く。

 事業の成長はマーケターの存在抜きには語れません。2015年からWebマーケティングに携わり、現在マーケティング部・部長を務める髙木に、マーケティング部の課題や展望を聞きました。

髙木 恩(Megumu Takagi)
プラットフォーム推進本部 マーケティング部 部長 

証券会社、ITスタートアップを経て、2014年にピクスタに入社。翌年からweb広告担当としてマーケティングキャリアを開始。2019年にマーケティング部 部長就任。現在は幅広い社内事業・サービスのマーケティング戦略立案・施策を統括。「顧客創造・顧客満足」のためのマーケティングテクノロジーがモットー。

手を挙げたところから始まったキャリア

ーーWebマーケティングにはどんな経緯で携わり始めたんですか。

 ピクスタに入る前は、SNSを使った採用コンサルティングをしているスタートアップで働いていました。営業を通して受注する、労働集約的なビジネスモデルでした。短期的には売上が上がりますが長続きしづらい。インターネットの影響力を生かしてスケールするビジネスモデルに関わりたいと思って、ピクスタに転職しました。

 半年ほどブログの翻訳や更新をしていたのですが、Webマーケティンググループ(当時)に欠員があり、手を挙げました。Webサービスをグロースさせてみたいと思っていた自分にとっては、またとないチャンスでした。

インハウスマーケターならではのやりがい

ーーまず、マーケティング部の役割を教えてください。

 我々マーケティング部のミッションは「各サービスの顧客基盤を維持・拡大すること」です。部署の主要な成果指標は、オーガニック経由の訪問者数や購入者・予約者などのコンバージョン数です。また、SNSを用いたリーチ数やエンゲージメントを指標とした、いわゆるアッパーファネル施策にも取り組んでいます。

これらの基本的な業務に加えて、LTVの最大化を狙った商品設計やランディングページ(LP)の設計、プロモーションキャンペーンの企画、全体ディレクションを行っています。また、ターゲット市場の顧客像を具体化し、ペルソナの設計からバリュープロポジションの言語化・洗い出しといったSTP設計も行っています。

ーーピクスタでマーケティングをする面白さはどこにあると思いますか。
 
 そもそもプロダクトが良いです。やればやるほどそう感じます。PIXTAなら機能・価格・素材の種類、fotowaであればフォトグラファーにおいての安心感など。ユーザーのコアなニーズに応えています。それがあって初めて、マーケティングのパフォーマンスが最大化されます。

 マーケティング部では、各チャネル、すなわちSEO・広告・SNSにおいてコンサルティング会社に協力いただき、最適な手法を取り入れ、知見もアップデートし続けています。インハウスでありながら、このような形を取ることでプロフェッショナルであり続けられています。

 一つのチャネルで得た知見を他のチャネルに活用し、結果として、事業成長のスピードにも寄与できていると思います。広告による利用者獲得を例に挙げると、PIXTAで運用してきたからこそ、fotowaでも精度高く運用ができ、しなくてもよいミスも防げる。つまり「車輪の再発明」の必要がありません。

求められるマーケターの進化

ーーノウハウが蓄積されていくのはインハウス(社内)でマーケティング部がある良さですね。反対に課題があるとしたら、どこだと考えていますか。

 事業がプロダクトマーケットフィットに差し掛かるかどうかの検証段階や、1→10へスケール化させる際の集客においては、既に持っているノウハウを提供することで比較的すぐに貢献できます。しかし、その先のフェーズは我々にとっては未踏の領域です。
 事業を成長させる上で「認知の拡大」が求められる場合、マーケティング部の主戦場であるデジタルマーケティングにこだわらず、広報や外部パートナーと共に、様々な打ち手を試す必要があります。マーケティング部だけがマーケティングに携わるのではなく、サービス・会社全体で成長させる意識が、より必要になってきていると思います。

 また、目覚ましいテクノロジーの進化への対処も課題です。今マーケターが市場価値として持っているスキルの陳腐化が、遠くない将来に起こり得ます。だとしたら、マーケティング課題、事業課題、もっといえば顧客の創造といった上流工程に関わることが生き残る道だと思います。チャネルだけではなく、サービスにも軸足を置き、事業をグロースさせるマーケターを目指すべきです。

マーケティング部の構想

ーーこれからどのようにマーケティング部の拡大を考えていますか。

 現在、全てのマーケティングの戦略立案を僕が担当しています。将来的には、ひとつの事業に並走しながら広義のマーケティングを担うメンバーがいて、広告やSEOを担当するメンバーもいる体制を作りたいです。メンバーのキャリアに関しては、大きく二通りあると思っています。

 1つ目は各チャネルの専門性を高めるスペシャリスト職です。広告運用一つとっても、かつては自動最適化の効く範囲が限定的であったり、生成AIをはじめとする人工知能が活躍する領域は少なく、人の手が介在する必要が多かったです。しかし現在は、ある程度育ったアカウントであればパフォーマンスを改善するために機械学習の精度を高める視点も欠かせません。このように、数年前のベストプラクティスが現在では時代遅れになってしまうケースは多々あります。時代の変化と自社サービスに最適なスキルにインハウスならではの競争優位が相当あると考えています。各サービス毎に程度の違いこそあれ、弊社の自社プロダクトの成長や安定性を支える上で広告・SEO・メール・SNSなどの主にデジタル領域における専門的なスキルは欠かせません。

 2つ目はサービス・事業の内部に入り、事業責任者やPdMとともにサービスの強みやあるべき姿を設定し、そこからコミュニケーション戦略上の課題を見つけ、オン・オフラインのマーケティング施策を描くような上流工程で活躍するキャリアです。例えば、今まではSEOや獲得型の広告運用で一定成長してきたサービスで、より成長角度をつけて大きな市場を狙う場合があります。その際は顧客像・自社の強み・弱み・機会・脅威を再検討したり、ゼロベースで施策を検討することがあります。この段階では、広告やSNSのような具体的なHowについてはほぼ考えることはありません。 それまでのトラックレコードやN1分析から得られた顧客からのリアルボイス、また競合の状況やトレンドのテクノロジー・媒体などの情報と共にサービスと向き合います。

 現在、事業の方針に対して、マーケの意志や観点を反映させられるようになったものの、今後はそのような立場にメンバーたちを引き上げ、経験してもらうことが、彼ら彼女らにとっても良いのではないかと思います。そのために、どんどん権限移譲していきたいです。

ーーメンバーの成長にかける想いが強いんですね。

 マーケティング部は重要なKPIを握っているので、失敗するわけにはいきません。だから耳の痛い指摘もします。ですが、一方的にならないよう、メンバーとの信頼関係の構築に務めています。自分も改めることが毎日のようにあります。人に言うくらいなので、自己研鑽はメンバーに負けていられません。

 特に経験の浅いメンバーには、リモートワーク主体の働き方になった今もときどき出社しながら成長支援をしています。ビジネスパーソンとしての姿勢、考え方、アクション、僕が持っているものはすべて提供している自信があります。メンバーがのちのち振り返って「一緒に働けてよかったな」と思ってもらえる存在になりたいですね。

サービスの成長を担う人になる

ーー自身の将来への野望はありますか?

 以前は新規事業の責任者をやりたいと思っていました。当時はまだまだ広告運用をやり始めたばかりで、グロースさせるノウハウを得ることに興味がありました。今はこういう立場なので、各事業に対する思い入れも興味もありつつ、会社の目指す目標達成のためのマーケティング組織をつくっていくことに興味が移っています。

 ただやはり、事業責任者はやったことがないので興味はあります。まだタイミングじゃないと思っていますが。

ーー今後、どんな人と働きたいですか。

 個人でパフォーマンスを出し、自分だけが成長していければいい、というタイプの人ではなく、自分の得た経験や考え方をチームや関わる部署とも共有し、学び合い、組織として成果を出していくことに賛同してもらえる人にきてほしいですね。マーケティング部としてもそのような情報が閉じずに流通している組織でありたいと思います。
 チャネルの専門性に対するプライドはあっていいと思いますが、そこに固執せず、事業の成長を考えられる方と共に働いていきたいです。

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