在宅勤務での新メンバーオンボーディングの工夫
ピクスタでは、在宅勤務メインの働き方に移行して、5ヶ月が経とうとしています。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、通常の業務だけでなく採用活動もオンライン化し、リモートワークで入社する新メンバーも10名を超えました。
新メンバーは、入社してからがスタートです。ピクスタでは、戦略人事部・受け入れ部署の両方で、オンボーディング(新メンバーが、新しい環境・業務に慣れるまでのプロセス)を支援する取り組みに力を入れており、今回はリモートワークでのオンボーディングについてお話します。
戦略人事部での主な取り組み
①全社への新メンバー紹介
以前、新メンバーは、入社日にオフィスの中央に立ってメガホンで(!)自己紹介をしてもらい、受け入れ業務を担う総務メンバーと一緒に各部署へ挨拶にまわっていました。これによって、新メンバーは、オフィスのどこに誰がいるのかを知れて、既存のメンバーにとっては、新メンバーの顔と名前を覚える機会になっていました。
在宅勤務を継続しながら新メンバーが入社するようになり、これをオンラインに移行することになりました。
入社数日前から、全メンバーが所属するチャットルームで、新メンバーの簡単なプロフィールや上長からのメッセージを流します。「あの部署に新しい人が入ってくるんだって...…(ざわざわ...…)」と一瞬でも思ってもらうことを目的としています。
新メンバーが入社したら早々に、Zoomで「全社紹介」を行い、新メンバーが自己紹介をしたあと、上司や、業務で関わりそうな他部署のリーダーから、部署の説明や歓迎のメッセージを伝え、全社メンバーから盛大な拍手をして終わります。
実際に会わなくても、Zoomで「ビデオON」にしているたくさんの人の表情や様子が見えると、新メンバーは歓迎して受け入れられている雰囲気がが感じられるのではないでしょうか。
②研修・人事面談
オンボーディングの一環として、研修(ピクスタの理念・ビジョンや、組織構成、PIXTA WAYについてなど)や定期的な人事面談を実施していますが、これもオンラインで実施するようになりました。
こちらはZoomでの研修風景。月によっては入社人数が少なく、マンツーマンで実施することもあります。代表の古俣が講師となる「理念・ビジョン・戦略研修」は、古俣自身の生い立ちや原体験、立ち上げ当時の社会情勢に遡ってPIXTAが生まれた背景や、各サービスの目指す方向性を伝える研修です。この日は、「もう慣れた? 周りの人からは何と呼ばれてるの?」と、ざっくばらんな雑談から始まり、説明がひととおり終わると、新メンバーからの率直な感想や質問を交えて話が盛り上がっていました。
入社から1・3・6ヶ月のタイミングで実施している人事面談では、仕事やチームに慣れたかを聞くことに加えて、リモートワークでやりづらいところがないか、困っていることがないかも重点的に聞くようになりました。今のところ、目立った困りごとはなさそうですが、在宅勤務が長引くつれて変わるかもしれないので注視していきたいところです。
③新メンバー専用チャット「駆け込み寺」
新メンバー向けに、ちょっとした疑問を誰に訊けば良いかわからないときに、人事にまず訊ける「駆け込み寺」というチャットルームを用意しています。在宅勤務が始まる以前から運用していましたが、在宅勤務体制になり、より活発に利用されるようになりました。隣の席の人にちょっとしたことを訊く、という機能をこのチャットが担っているのかもしれません。
基本的には業務に関係する会話が多いので、新メンバー同士の横のつながりをつくろうと、新メンバーと人事のオンラインランチ会、通称「寺ランチ」を2ヶ月に1度開催することになりました。「同じ部署でも業務でかかわりがなく知らなかったが、知り合えた!」「〇〇さんの意外な一面が知れた!」という前向きな感想が多く、今後も続けていく予定です。
そんな中、ヨガインストラクターの資格を持つ新メンバーが、ヨガレッスンを開催する取り組みも始めました。「駆け込み寺」での少人数のレッスンを皮切りに、全社に呼びかけてみたところ、10名以上のメンバーが参加し、朝9時から大盛況でした。
リモートワークや「自粛生活」で、人とのつながりが希薄になりがちな昨今、仕事以外でも自分の持っているスキルを他の人にも共有したり、みんなで同じことをして一体感を感じることが、求められているのかもしれない...…と思いました。
部署で行っている取り組み(一例)のご紹介
人事部が行っている取り組みをみてきましたが、実際に新メンバーが働く部署ではどのようなオンボーディングが行われているのでしょうか。6月1日に中途入社のWebディレクターを迎えた、fotowa事業部の櫻田に様子を聞いてみました。
ーー新メンバーとは入社前からやりとりされていましたよね。
そうですね。4月初旬に内定承諾をいただきましたが、当時すでに前職を退職していて、緊急事態宣言下で自宅にいなければならない状況に加え、入社までに何か準備しておきたいという彼女の熱心な希望もあり、1ヶ月ほどの間、毎週1度、1時間のミーティングをすることにしました。
ーーそこではどんなことをしていましたか?
Webディレクターとして担ってもらいたい役割や、業務の目的、進め方がわかりやすく説明されている書籍を読み、1ヶ月で1冊読み切りました。 ちなみに、スクラム開発でサービスづくりを進めているので『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発』という本を使用しました。
ーー入社後の取り組みについてはいかがですか?
緊急事態宣言が解除されていたので、入社当日はオフィスに出社し直接顔を合わせました。fotowaのメンバーの顔と名前を覚えられるるよう、あらかじめキャプチャーをとって名前を書き込んだものを渡したり、ランチでお話ししたりしました。単純に会いたかったというのもありますが(笑)。
MBO(目標管理制度)での目標設定の準備として、新メンバーへの期待感や成長イメージを伝えるために、1年間の育成プランも共有しました。
日常的には、朝に1時間と午後に30分ミーティングをして、その日のタスクを確認したり、fotowaについての知識を伝えたり、わからないことがあれば相談してもらっています。
ディレクターはfotowa事業部だけでなく他部署の方とプロジェクトを進行することも多く、誰が何をしているかを理解することが大事だと考えています。人となりを知るきっかけになればと思い、他部署とのランチを設定して交流の機会を作っています。
ーー計画も作った上で、細かめにコミュニケーションをとられているんですね。リモートワークならではのオンボーディングの難しさや工夫はありますか?
言葉だけでは伝わりづらいことを話すときに、図などを用いてその場で説明しづらい、というのはありますね。資料をしっかり用意するなど、事前準備がより大事になったと感じます。
また、一人暮らしだと一人でずっと画面に向き合っていて煮詰まってしまわないか、チャットやビデオ会議でのコミュニケーションは対面と同じようにいかないので、業務が進んでいく実感が持ちづらいのではないかと思うので、「思った通りには進まないこともあるよ」と最初から率直に伝えています。
リモートワークだと、他のチームの話が耳に入ってきづらいので、自分が「ボール」を拾う機会も少なくなりますが、その分自分のことに集中できるというメリットもあって、今は新メンバー自身の成長に集中してもらっています。
ーーなるほど。リモートワークを味方につけることもできますね。参考になる話をありがとうございました!
最後に
最適なオンボーディングの進め方といえど、業務内容や入社時の経験の有無、はたまたメンバー一人ひとりの性格などによっても様々なため、唯一の正解はありません。ピクスタでも試行錯誤をしながらオンボーディングや業務を進めていますが、少しでもこの記事が、今後リモートワークで入社される方や、新入社員を受け入れる方の参考になれば幸いです。
また、引き続き、ピクスタではオンラインでの採用活動を行っていますので、興味のある方はぜひご応募ください。
(執筆:戦略人事部 採用担当 鈴木 瑞穂)