家族写真を通じて、愛情を未来に伝える【fotowa フォトグラファーLife】
子どもの成長を残したい──写真を始めたきっかけ
2017年、1人目の子どもが生まれて半年が経ったころ、ふと思いました。「この瞬間を、ずっと形に残しておきたい」と。その思いに突き動かされるようにしてカメラを購入しました。
ファインダーを覗くと、弾けるようなわが子の笑顔が映る。その一瞬一瞬の表情や仕草が、愛おしくてたまらない。「こんな表情をしていたんだ」という発見もありました。子どもの成長を記録する楽しさに夢中になり、次第に写真そのものの魅力に惹かれていきました。写真はただの記録ではないと気づいたんです。動画に比べて写真は情報量が少なく、見る人に解釈の余地が生まれます。「この人は何を思っていたんだろう」「撮ってくれた人は何を思っていたんだろう」と想像できるからこそ、感じられるものがある。思えば、私自身もそうでした。
実家にはたくさん写真が飾ってあって、写真を見る度に、家族に愛されてきたことを感じてきました。自分ひとりが写るものよりも、家族で写っているもの、日常の一コマを写した写真の方が、より強く私自身の存在が肯定されているような愛情を感じ取ってきたように思います。
自分の子どもたちにも、そんな風に宝物のような写真を残したい。その一心で、写真のスキルを磨きました。仕事の合間で写真について学び、子どもたちを撮影する日々の中で、徐々に芽生えていったのが「もっと、多くの人たちのために写真のスキルを活かしたい」「家族写真を撮ることを仕事にしてみたい」という思いでした。
「自分に才能はない」そう思い込んでいた心を変えた出会い
でも、自信がありませんでした。「自分にはクリエイティブな才能がない」と思っていたからです。
母の実家が音楽一家で、身近に表現者を見てきたからでしょうか。何かを表現する仕事に憧れは持っていました。学生の頃は音楽に取り組んでいた時期もありました。大学卒業後も、才能を活かして活躍する友人への憧れがありました。
でも、自分は一歩踏み出せなかった。当時はクリエイティブを仕事にする想像ができませんでしたが、写真を撮っている内に、子どもがいる友人たちから撮影を頼まれるようになりました。それがやっぱり楽しくて、大きなやりがいを感じました。
ひとりの親として、写真スキルを磨いてきたひとりとして、「家族写真を通して生まれる、多くの愛情の連鎖を未来へ残したい」という思いが膨らんでいきました。
そう思っていた時に見つけたのが「fotowa」でした。
サイトを見て、自分がやりたい世界だと思いました。「ここなら、自分の写真で多くの家族の愛情を形にできるかもしれない」と思って、フォトグラファー登録の面談に臨みました。担当してくれた方は、私に真摯に向き合ってくれました。プロとしてのキャリアはなくても、これまで友人や知人の家族写真を撮影してきた経験と撮影した写真、そして家族写真にかける私の想いに共感してくれました。
同じ志を持つ人達がいることに嬉しさを感じました。「ここで、多くのご家族の写真を撮影する一歩を踏み出したい」と強く思ったことを覚えています。合格の連絡をいただいた時は、嬉しくて、期待と不安、プレッシャーと高揚、様々織り混ざってすごくドキドキしました。
憧れから現実へ──fotowaでの初撮影「プロとしての自信をもらえた」
ドキドキしていましたが、fotowaに登録したからといってすぐに撮影依頼が入るわけではないと思っていました。何しろ、まだユーザーが撮影依頼を検討するための材料であるクチコミは1件もありません。なのに、すぐに初依頼のメールが届いたんです。
驚きました。機会を求めてfotowaに登録しましたが「ここは、登録したばかりの自分にもチャンスがあるんだ」と改めて実感しました。同時に、依頼してくださったご家族にとって、自分はすでに「プロ」であるということに身が引き締まる思いでした。
fotowaでの初仕事は2021年11月、七五三の撮影です。1時間以上前に現場に入り、下見や準備を念入りに行いました。自分に委ねていただいているこの時間を楽しんでいただけているか。信頼や期待に応えられているか。
fotowaでの初めての撮影にとても緊張していましたが、自分の全力を出して撮影に挑んでいました。すると、お客様ご家族は楽しそうに笑ってくれました。その笑顔を見ているうちに、私の方も緊張がほぐれて「大丈夫だと」1カットごとに思えました。
この日、初めて本当の意味で、プロとしての自信をもらえました。憧れは現実にできるんだと実感した日でもありました。
それから、fotowaを通して様々なご家族の撮影をしました。特に何度も依頼してくれるご家族との撮影は印象深いです。子どもたちも自分のことを「写真のお兄さん」と覚えてくれているんです。「山口さんの写真が、家族の思い出の中心になっています」という嬉しい言葉もいただきました。
自分が撮影した写真がそのご家族にとって、とても大切なものになるということの責任と喜び。そして、撮影を通じて、ご家族の成長を感じられることや、ご家族との絆を育めていることの嬉しさ。
私がやりたかった「写真を通じて多くのご家族の愛情の連鎖を残す」ということを、fotowaという場所が、実現させてくれたんです。
家族の愛を未来に届ける──私が目指すfotowaフォトグラファー
平日はベンチャー企業で営業として働く身ですが、営業をしている自分も、フォトグラファーの自分も、どちらもなりたかった自分です。
どちらかを諦めることなく両立しながら、こんなにも充実した人生を歩めるようになったのは、fotowaが私にプロのフォトグラファーとして、一歩を踏み出させてくれたからだと思います。そして、たくさんのご家族との出会いをくれました。
fotowaで撮影を重ねるうちに、家族写真は「未来への贈り物」であると一層想うようになりました。
だからこそ私は「10年後、20年後にその写真を見た家族が、当時の愛情や絆を思い出してくれるような写真を撮りたい」と思いながら、ご依頼いただくご家族一組、一組との時間を大切に撮影しています。
これからも、家族写真で愛情の証を未来に残せるフォトグラファーでありたいと思っています。
(執筆:ピクスタ+編集部)
(撮影:PIXTAオンデマンド フォトグラファーID: 315)