長屋 実友(Miyu Nagaya)
PIXTA事業本部 UX推進部 Webディレクター
新卒で大手業務システム販売会社に入社し営業に従事。その後、2016年8月にピクスタへ入社し、2017年10月まで営業を担当。法人に定額制プランや、システム連携のAPIを提案しながら、営業の育成・教育プランの作成も行う。その後、かねてより企画側の仕事にも興味をもっていたことから、2017年11月、Webディレクターとしてグロース推進部(現UX推進部)へ異動。現在にいたる。
ピクスタに転職してきたのは、自分の望んでいた環境だったから
――長屋さんがピクスタに入社してくる前のキャリアについて教えてください。
経済学部を卒業後、会計や人事などのシステムを取り扱っている会社に営業職として新卒入社しました。
よく「経済学部なのに、システム系の会社って難しくないの?」「抵抗感はなかったの?」と聞かれるのですが、そこに関してはあまり抵抗がありませんでした。
というのも、私、大学時代に英語がほぼできないのに、オーストラリアに1年留学をしたことがあるんです。その時に、言葉が通じない、慣れない環境であっても、1年経てばなんでもできるという自信が付きました。なので、知識のないシステム関係の仕事であっても、1年経てばどうにかなるだろうと思っていました。
ーー新卒でベンチャー企業を選んだ理由はなにかありましたか。
実は、もともとベンチャー企業にしぼって就職活動をしていました。「将来、自立した人生を送りたい」と思っていたんです。自分で物事を考えて、人生を選択していきたい。けどこれって、日々訓練して、ようやく大事な場面でできることだと思うんです。だから新卒から、より裁量の大きく、自分の考えが求められるベンチャー企業に入ろうと思っていました。
――そこから2年経たずに転職されたのはなぜでしょうか?
実際に働く中で、大抵の知識は身につきました。一方で入社前に描いていた働き方と、ギャップを感じ始めていました。ベンチャーとはいえ、思っていたよりも組織規模が大きく、社長が牽引していく社風で。なかなか裁量を持って働けているという実感が持てずにいました。「将来、自立した人生を送りたい」という想いは変わらなかったので「自分の手を動かせる環境」「ボトムアップ型の組織」「一人ひとりが意識的に動き、チームで同じ目標に向かっていける環境」という3つの軸で転職活動をスタートさせました。
――そうだったんですね。転職活動の際に何社か見たと思うのですが、その中でピクスタを選んだ決め手はなんでしたか?
「居心地が良かった」からです。入社面接でアイスブレイクのつもりで構えずに話していたら、気付いたら面接が始まっていて(笑)。飾らない自分を見せることができたんですよ。
それに転職時に決めた3つの軸に当てはまっていたこともあり「ここでなら自分が思い描いていたキャリアを歩めるのではないか」と思って決めました。
営業として、ピクスタライフがスタートした
――2016年8月にピクスタに入社した当時は、営業職でしたよね?
はい。法人向けにPIXTAの定額制プランやシステム連携のAPIを提案する営業職として働き始めました。でも、特に営業にこだわっていたわけではありません。採用面接の段階から、企画にも興味があるというお話はしていました。元々「このプランはどういう人に刺さるのだろう」とか、サービスの裏側について考えるのが楽しくて。それでもピクスタでの最初のキャリアに営業職を選んだのは、ピクスタが提供するサービスの価値を、自分自身理解しながら、自信をもってお客様に提供できると感じたからです。
――そうだったんですね。聞くところによると営業在籍時、新メンバー育成プランの作成も担当したんですよね?
はい。入社して4ヶ月が経ったころ、これから入社してくる営業職のメンバーのために、育成・教育プランを作成・整備することになりました。当時、上長からは「とりあえず作ってみて。それを見て一緒にブラッシュアップしていこう。」と言われたのを覚えています。
もちろん、それまで育成を担当したこともプランを作ったこともありませんでした。でも、これから入ってくるメンバーのために、早く自走できるためのプランは必要だと思っていましたし、なにより「ボトムアップができる組織」を求めていた私にとっては、願ってもないチャンスでしたので、喜んで受けました。
「とりあえず作ってみて」と言われたものの、決して突き放すことなく、裁量を与えてくれて、併走してくれた上司の存在が本当にありがたかったです。
経験ゼロ!上長の後押しもあり、ディレクターに転身
――順調とも思われる営業職からディレクター職に転身したのはなぜですか?
育成プランや、一連の育成プログラムに関しては社内表彰でも賞を受賞し、評価していただきました。でも、それが嬉しい反面、自分自身のキャリアを見直すきっかけにもなりました。
もともと私は「自分の手を動かす環境」で働きたかった。そういう意味では、マネジメントの道に行くのは、まだ早いのではないか、プレイヤーとしてもう少し成長していける環境に身を置きたいと考えたのです。
そのことを最初に人事に相談したところ「こういうポジションがあるよ」とディレクター職を奨めてもらいました。それを上長に相談すると「もともと企画側に興味あるって言っていたし 、今がタイミングとしてもいいんじゃないかな」と部署異動 することへの背中を押してくれました。
――自ら成長機会を取っていったと。でも、未経験のことに飛び込むのは怖くありませんでしたか?
そうですね……。自分にできるのかなという不安はありましたし、決断するまでは結構慎重でした。ディレクター職のトップであり、私の今の上長に何度も面談の機会を設けてもらい、ピクスタのディレクターは何を目標としているのか、とか、自分でイメージを持てるまでたくさん話を聞きました。
最終的には、将来なりたい姿と営業にいる自分、異動先の自分を重ねた時に、異動したときの方が近いと思い、ディレクター職に進むことにしました。
もちろん、面談をして不安を払拭したとはいえ、自信をもってディレクター職になったわけではありません。でも、この時もオーストラリアに留学した時の自分を思い出して、きっと1年後にはどうにかなっていると思っていたんです。
ディレクター業務の幅広さに苦戦。挑戦と言語化で乗り越えた
――そして2017年11月に、前職から続いた営業職から一転し、ディレクター職になったわけですね。実際なってみていかがでしたか?
Webディレクターというと、企業によって業務内容が異なる職種だと思うんですけど、ピクスタのWebディレクター職の業務範囲は、上司の言葉を借りると「デザインとエンジニアリング以外、全部」です。
それを聞いたうえで異動したので、ある程度の覚悟はしていたものの、業務の幅広さに驚きました。企画職は、華やかなイメージがある一方で、泥臭いことも多いのが事実。異動当初は、わからないことが何なのかすらもわからず、右往左往していました。
でも、やるしかない。そう言い聞かせて、毎日必死でした。実務を通して、わからなかったら聞いて覚えての繰り返しです。そうしていく中で「できるようになった」と自信を持って言えるように、なにか目に見えるものが欲しくなって。Web解析士やGAIQ(Googleアナリティクス個人認定資格)、Webディレクション検定などの資格を取得するための勉強にも取り組みました。
――見えないところでも、かなり努力されていたのですね。特に難しさを感じた部分はなんですか?
最初のころは、社内のメンバーを巻き込む難しさやファシリテーションの仕方が一番の悩みでしたが、上司がとにかく場数を踏ませてくれたので、なんとか乗り越えていけました。
その中で、ディレクターはただ「やりたい」を主張するだけではだめなんだと気付きました。社内のメンバーを巻き込むためには、一人ひとりの仕事の意味付けや効果をしっかり伝えることが必要だと気付いてからは、メンバーの「納得感」を大事にするようになりました。そこを意識することで、私自身にも考える力や伝える力が身についた気がします。
――なるほど。「ファシリテーションの場数を増やす」以外にも、上司に相談することは多かったのでしょうか?
そうですね。特に最初は、自分が何に困っているのかがわからない、どう相談したら良いのかも分からない状態で。苦しかったり、焦ったり、混乱していたんですけど、毎週の1on1で上司が、何がわからないのか、どうなったら気持ちが楽になるかなど、一つひとつ紐解いてくれました。それが心の支えでしたし、紐解いていく中で、具体的に何を頑張れば良いのか見えるようになったり、自分が頑張ればできることなんだとわかると、やりたいと前向きに思えました。
そうやって、一つひとつのことを解決しながら、1年が経った頃には、Webディレクターとしての自分に少し自信が持てるようになりました。
「自立した人生」を送るために自分のキャリア選択の幅を広げる
――ディレクターに就任し、1年半ほど経ちますが、今どのような気持ちですか?
最初こそ、難しさを感じていたディレクターの仕事ですが、今は心から「ピクスタのWebディレクターは楽しい」と言えます。
ピクスタという会社は、一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ったプロフェッショナルが集まった会社です。職種や社歴に関係なく、お互いがお互いを尊敬しています。
Webディレクターの仕事は、ディレクターが決めてみんなを引っ張っていくものだと思っていたけど、そうじゃないということに気づきました。同じ目標に対して、チームのみんながそれぞれプロフェッショナルな視点で「もっと良くしていこう」とするのを、まとめながら走ることです。これはまさに私が転職時に描いていた「チームで同じ目標に向かっていける環境」です。
今まさに転職時に大切にしていた3つの軸の中で、働けていると思います。
そういう意味では、営業職からディレクター職に転身するかを迷っていた時、怖気づかずに飛び込んでみて良かったなと思っています。また、経験を問わずに飛び込ませてくれた会社にも感謝しています。
でも「これからもWebディレクター職でい続けるか?」と聞かれたら「絶対にWebディレクターとしてキャリアを築きたい」というこだわりはありません。私が理想とするのは「自立した人生」を送ること。自分で物事を考えて人生を選択していきたいんです。だから、これからも職種や業務にとらわれることなく、柔軟に仕事に取り組む中で、自分の武器となるスキルを増やしていきたいと思っています。そしてピクスタでなら、それが可能だと思っています。
(聞き手、執筆:於ありさ|編集:戦略人事部 細谷 圭野|撮影:於ありさ)