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生き残るが勝ち |『HARD THINGS』

 ピクスタのブレーンである経営陣やリーダーたちが影響を受けた本を紹介するコーナー。今回、紹介するのは、取締役兼プラットフォーム本部長 遠藤健治よりこの一冊です。

遠藤健治 (Kenji Endo)
ピクスタ株式会社 取締役 兼プラットフォーム本部長

1976年5月生まれ。1999年法政大学法学部在学中に株式会社ガイアックス設立に参加、取締役兼CTOに就任。 2005年に株式公開を果たす。 2010年10月ピクスタ株式会社に入社、2011年3月取締役に就任。 プラットフォーム本部長として、国内外のPIXTAの企画・開発・運営の統括を担当している。

どんな本か

 著者であるベン・ホロウィッツが起業家、CEOとして直面した様々な困難(ハード・シングス)に対して、どう向き合い、どう乗り越えてきたかを記し、そこから得た教訓を伝える本。
 CEOの視点として書かれていますが、逆境のなか困難に立ち向かうリーダーや、途方もないチャレンジに取り組むプロジェクトリーダーに読んでほしい一冊です。

所感

 読後の感想をひとことで表すと「生き残るが勝ち」。
 どのような逆境でもあきらめず、銀の弾丸ではなく、鉛の弾丸で1つづつ解決し、やりきることがどれだけ大切かを改めて認識しました。

 本書からは多くの教訓が書かれており、自身の至らないところに気づき、経営のヒントを得ることができました。

「正しい野心」と「間違った野心」

「正しい野心家」というのは「会社の勝利を第一の目標とし、その副産物として自分の成功を目指す」ような人物だという。それに反して「悪い野心家」は、「会社の業績がどうあろうと自分個人の成功が第一」というタイプ

――「第6章 事業継続に必要な要素」より引用

  「正しい野心」を持った方を採用すべしという教訓は、まさに自身がどのような方と一緒に働きたいかと同じであり、共感しました。

 モチベーションを高める要素として、個人のインセンティブは大切な要素ではありますが、「正しい野心」を持った方は、スリリングな使命が最も大きい要素となります。

 では、どのように野心をチェックするか? 著者は「自分メガネ」と「チームメガネ」どちらで世界を見ているかを手がかりとして判断できることがあると言います。

マクロに言えば、人は世界をそれぞれの「メガネ」で見ている。面接の際には、相手が「自分メガネ」で世界を見ているか「チームメガネ」で見ているかを小さな手がかりから判断できることがある。

――「第6章 事業継続に必要な要素」より引用

 「自分メガネ」で見ている人物は、状況を自分に結びつけて考えることしかできず、「私の」とか「私が」という言い回しになりがちで、対して「チームメガネ」で見ている人物は、自身の成功体験について語る場合でも、同様の言葉を使うことは少ないとしています。

一般社員の場合には、それぞれが独自に自分のキャリアパスの充実を考えてもよい。しかし経営に携わる上級社員の場合には、動機が重要だ。間違った動機を持った人物に正しい結果を期待するのは危険な考えである。

――「第6章 事業継続に必要な要素」より引用

 経営幹部の採用では、最も気をつけるべき観点と言っても過言ではないでしょう。

 自身が「正しい野心」を持ち続け、「正しい野心」の仲間を増やしてくことを肝に、組織のスケール化を実現していきたいと思っています。

 

(執筆:取締役 兼 プラットフォーム本部長 遠藤健治)

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