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【社員インタビュー】理念ドリブンで正しい野心をもつ会社で貢献していきたい

 急成長するベンチャー企業で、営業チームリーダー、新規事業立ち上げ、タイ事業立ち上げと、キャリアの階段を駆け上ってきた加藤。しかし彼女が本当に大事だと気づいたのは「何」をするかよりも「なぜ」その事業をやりたいかでした。単身でシンガポールに渡り、ピクスタで今挑戦していることとは......仕事に対する価値観やキャリアの考え方の変化など含めて語ってもらいました。

加藤 あす香(Aska Kato)
プラットフォーム本部 海外事業部 部長

 不動産系ポータルサイトを運営する企業へ2005年に新卒で入社し、営業、新規事業の立ち上げと運営、タイ事業の調査と立ち上げに関わる。7年目でシンガポールに移住し、海外展開を進める企業の立ち上げ支援に従事。ピクスタには2015年2月に入社。シンガポールに拠点を置く PIXTA ASIA PTE. LTD.に所属し、タイ事業を中心に海外事業全体の責任者を務める。

成長したい一心で働いた3年と自ら掴んだ新規事業のチャンス

 ーー元々キャリアについてはどのように考えていたんですか?

 はやく一人前になりたいと思っていました。この先、結婚や出産などライフイベントもあって、どうなるかわからないという思いが強くて。

 ベンチャーだと1年目から裁量があって、はやく成長できるから、そういう働き方ができる会社に就職したいと思っていました。すごく生き急いでいたんですよね(笑)。

 新卒では不動産のポータルサイトを運営するベンチャー企業に就職しました。

 ――最初は営業部に配属、入社4年目で新規事業部に配属になったそうですね。

 はい。ちょうどその頃、会社で新規事業を始めることが決まったんです。

 いつか新規事業に関わりたいと思っていたので、すぐに異動願いを出して、社長に直談判しに行きました。異動希望の制度にのるだけだと不安だったので(笑)。おかげで、無事、新規事業部に異動できました。

 ーー新規事業の立ち上げに関わってみてどうでしたか?

 ものすごく難しかったです。営業の頃は売上目標をつくったり、チームのマネジメントもしていたのですが、向かうべき方向が決まっていたので全力で取り組めたんですよね。

 一方、新規事業は何もないところから生み出さなきゃいけない。「何やってもいいよ」というのがすごくプレッシャーでした。すぐに成果がでる訳でもないので、手応えも感じづらくて。

 事業が立ち上がってからは、徐々にチームも大きくなりました。数名のメンバーを抱えながら、責任者として集客から事業をどうつくるかを全部考えていました。

 ーー最終的に、事業はどうなったのですか?

 うまくいきませんでした。立ち上げに半年、運営に半年かけて、最終的に役員会の判断でサービスを閉じることになりました。

 事業の立ち上げ・拡大のフェーズということもあり、とにかくやることが多くて、でもやるしかないという状況でした。マネジメントが何かもわからない中で、メンバーも遅くまで働いて、体調を崩す人も出始めて......うまくやれていない感じがありました。

 事業成果も出てなくて、悶々としながら深夜まで働く毎日でした。 

 ーー色々と葛藤を抱えながらも、頑張り続けられたのはすごいと思うのですが、なぜ頑張れたのですか?

 辞めたいとは一度も思わなかったんですよね。仲間に恵まれていたし、そもそも新規事業をやりたいと言ったのは自分で、自ら選択してここにいる。メンバーを採用したのも自分だし、やらされている感はなかったです。

 希望してやっていると思えていた納得感が大きかったです。

偶然やることになった海外事業立ち上げと、自分で選んだ海外の道

 ーー事業を閉じた後はどうしたのですか?

 自分にできることや、やりたいことがわからなくなってしまい、一旦、今自分にある選択肢を全部取り払って、何がしたいかを自問してみました。色々と考えてみたときに、そういえば昔から海外が好きで、いつか住んでみたい、留学してみたいと思っていたなと。

 決めてからは早くて、「海外に行くので、会社を辞めます。」と上司に伝えました(笑)。

 ーー唐突ですね(笑)。上司もびっくりしたでしょうね。どうなったのですか?

 ちょうどそのタイミングで、タイで事業を立ち上げる話があり、タイ法人立ち上げ直前まで関わってから退職しました。タイ法人の責任者にならないかというお誘いはもらっていたんですが、悩んだ末に断ってシンガポールに渡りました。

 ーーなぜ断ったのですか!?

 新規事業を立ち上げて、閉じることになった時に、自分が本当にやりたかったことは何だっけ? ということが引っかかっていました。

 事業を絶対こうしていきたい! というのがなかったんですよね。事業をうまくいかせたい、とはもちろん思っていましたが、こうあるべきだと本気で自分が思える問題点や課題点から出発して始めた訳ではありませんでした。

 事業を閉じると言われた時も、割と「そっか」と受け入れてしまっている自分がいたんですよね。どうしても自分で続けていきたい事業だというほどの思い入れがなかったと気づきました。

 メンバーの中には、本当にその事業が好きで、他部署から引き合いをもらったり、同業界への転職を選んだ人もいました。やっぱり事業責任者である以上は、そのへんの折り合いがうまくついていなかったな、と。

 タイの立ち上げに関しても、そういう覚悟がないなと思いました。

いろんな人と関わる中でもう一度過去に向き合おうと思った

 ーーシンガポールではどんな会社で働いたのですか?

 東南アジア進出をしたい企業の立ち上げサポートや、シンガポール企業の日本進出支援を行うコンサル会社に入社しました。これまでの経験を活かして貢献できると思ったからです。

 その会社では3年程働いたのですが、一通り経験し、次のキャリアを考え始めるようになりました。これまでを振り返ると、3年間で色々区切りをつけてきんですよね。3年営業、3年新規事業と海外立ち上げ、3年コンサルという風に。

 大きなきっかけがあった訳ではないのですが、たくさんの事業や会社の「立ち上げ」に携わり、お客さんの事業フェーズがどんどん前進してくのを見守る中で、過去の新規事業のことを思い返すことがありました。

 事業を”立ち上げる”ことと”育てる”ことは全然別の力が必要だと思うのですが、当時、マネジメントやサービスを成長させるということがうまくいかなかったのがずっと引っかかっていて、もう一度事業を”育てる”ことに向き合ってみようと思ったんです。

 「事業を収益化し、続けられるサービスにしていくこと」「そのサービスをメンバーと一緒に育てていくこと」に再挑戦したいと思いました。

 ーー次のキャリアを考える中で、ピクスタをはじめて知ったときはどんな印象を持ちましたか。

 まず、ビジョンが素敵だなと思いました。でも、当時はピクスタのことを知らなくて、貢献できることはあるんじゃないか、くらいで話を聞いてみたのですが、話す中で、ただのマーケットプレイスじゃなく、裏側にある思いやビジョンを聞いて、すごく納得感がありました。

 分野がニッチすぎるとも思ったのですが、今後はクリエイティブ分野でサービスを広げていきたいというビジョンをもっていて、将来的な広がりもあっておもしろいんじゃないかと思いました。

 ピクスタのクリエイターの制作活動や作品への想いはすごく応援したいと思えましたし、クリエイターの作品を、それを欲している人とつなぐことに魅力を感じました。

 あとは、面接で会う人たちの雰囲気に惹かれた部分もあります。みんな変に肩に力が入っていなくて自然な雰囲気だったんですよね。素の状態でのコミュニケーションなので、真剣な中でものびのび働けそうだなと。入社してもこういう感じなんだろうなとイメージがつきました。


国を越えてクリエイティブな才能を活かす場をつくりたい

 ーー海外展開は、ピクスタにとって重要な事業展開の一つですが、どんなミッションを掲げているのですか?

 まず、前提として、ピクスタの理念である「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」から考えても、クリエイティブな才能を発揮できる場所は、国を越えて作っていけると思っています。日本でしかやらない理由はありません。

 その上で、クリエイティブな才能をどう価値に変えていくのかについては、一律にはいかない部分もあります。違いをピクスタに受け入れる部分、違う価値を市場に提案していく部分と両方ありますが、それらを越えて価値を生み出していくことがピクスタの海外事業のミッションです。

 自分の作品が世界のどこかで使われていたり、自分の作ったデザインの元となる素材が地球の裏側に住む人の作品だったり、そういう部分には夢があると思いますし、もっと大きな規模で実現していきたいです。

 ーーやってみてどんなことが見えてきましたか?

 海外事業をやっていることで、日本人だけのチームではない多様性がピクスタグループに生まれていると思います。色んなセンスやバックグラウンドを内包しつつ、ひとつのビジョンの下サービスを運営できるグループであることは、今後、よりピクスタの強みになっていくと思います。

 今は、どういう形でクリエイターと購入者、PIXTAがそれぞれWin-Win-Winの状態をつくれるかを試行錯誤している段階ですが、世の中に変わらないニーズがある中で、各国でどう実現していくのか、おもしろいフェーズだと思います。

 ーー20代のキャリアをスタートさせた頃は、力をつけたい! という思いが強かったと思いますが、色んなキャリアを歩んできて、今はどんなことを感じていますか?

 今は当時のような感覚はなくて、仕事を通じて本当に色んなことを学んできたし、仕事をしてこられたここまでの人生に感謝をしています。自分が得られた仕事での素敵な経験や想いは、他の人にも味わってもらいたいなと思います。

 この数年ではプライベートにも変化があり、結婚や、ちょうどこれから出産と子育てを経験するので、色んな人の力を借りながら、自分なりに頑張っていきたいと思っています。

 ーー加藤さんにとって仕事とはなんですか?

 仕事っておもしろいと思うんですよね。

 だって、仕事を理由にいろんな人に会えるし、仕事がきっかけで色々と気づくこともできるし、おもしろい場や機会を与えてくれてるじゃないですか。世の中の人がどれくらいそう思って働いているかわかりませんが、そういう感覚って大事じゃないかなと思います。

 仕事=やるべきこと、というだけじゃなくて、働く中で、仕事からしか得られないこともたくさんあるので、自分の人生にとってとても大事なパートだと思っています。

 せっかく働くなら楽しい方がいいですし、ピクスタでもそういう感覚で過ごせているなと思います。ピクスタの事業自体も、そういう体験を提供する場だと思うので、そこにすごく共感しています。


(聞き手/執筆:戦略人事部 採用担当 古川朋佳 | 写真:コンテンツ部CPG 矢島聖也)