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変化し続けることに前向きでありたい 〜ピクスタ経理部が変化に柔軟な理由〜

藤田 健吾(Kengo Fujita)
経理財務部 部長

 会計士として8年間、監査法人で会計監査に従事したのち、2016年11月ピクスタに入社。経理財務部の部長として経理業務全般を指揮し、会社を中心から支える。

 情勢が目まぐるしく変化する昨今、デジタルによる業務変革を強いられた企業も多いのではないでしょうか。
 ピクスタも新型コロナウイルス流行後、出社前提だった様々な業務をリモートで実現するため、柔軟に変化・適応してきました。

 その中でも今回は、特にリモート化のハードルが高いと言われる経理の取り組みをご紹介します。経理財務部の部長である藤田に話を聞きました。

ピクスタの経理財務部とは

── まずは簡単に、経理財務部の業務内容・体制を教えて下さい。

 経理部の業務範囲は会社によっても異なりますが、ピクスタは比較的幅広いと思います。具体的に、大きく3つあって

  1. 主計(月次、決算まとめる)
    月次で会社の業績を集計し、経営状況を経営層や社内関係者に報告する。

  2. 決算・開示(外部への資料)
    1で集計した情報をもとに四半期に一度、投資者や株主向けの決算資料を作成する。

  3. 資金
    取引先に対する支払を行うとともに、得意先からの入金を確認し、現預金残高を管理する。

 現在経理財務部は5名いますが、各事業毎に担当を分け、1〜3の全ての業務を行っています。

── 藤田さんは2016年に入社されていますが、入社経緯を教えてください。

 前職は監査法人で会計士として8年間会計監査をしていました。会計監査とは簡単に説明すると、企業の経営内容を示した財務諸表のチェックです。投資者は企業の財務諸表をみて、投資の意思決定をします。企業にとっては良い財務情報である方が投資家の評価は高まるため、粉飾のリスクがあります。そこで会計士が独立した第三者の立場で財務諸表の適正性を保証します。

 在籍中に40社程担当し、様々な会社のことを知ることができました。ですが、ここはこうするともっと良さそうだなと思っても、私は外部の人間でしかないので、何かを変えたり作ったりすることはできません。それがもどかしく感じるようになり、転職を考えました。色々な会社を見てきて、自分の力を試したいと思ったんです。

── そこからピクスタにはどう辿り着いたのですか?

 転職時、エージェントさんには「新しめでIT系の会社が良い」と伝えていました。前職は老舗のメーカーや小売のクライアントが多かったので、新しくて面白そうなことをやっている会社に行きたいと思っていました。それと、会社規模が大きすぎず、社内全体が見える方が良いと思っていました。

── 入社してからこれまで、どんな業務をされてきましたか?

 2016年11月に入社したのですが、最初はスナップマートと台湾支店の経理業務と、外部向けの決算・開示業務を担当していました。

 前職がなかなか激務だったので、その環境を変えたいというのも転職理由の一つにありましたが、ピクスタに入ってみたらやることがいっぱいあって、結果、前職と同じくらい激務でしたね(笑)。

近年変化した経理の業務内容

── 藤田さんが入社してから5年の間に、業務内容も様々な変化があったと思いますが、特にこの1、2年は、コロナをきっかけに会社全体がリモート体制へ変更し、経理の業務変化も大きかったのではないでしょうか?

 そうですね。でも実はコロナがきっかけではなく、2020年の東京オリンピックに向けて、2019年8月くらいから対応し始めていたんです。というのが、当社のオフィスが渋谷にあり、オリンピック期間中は国内外からの観光客で通勤時にオフィス周辺が混雑することが予想されたためです。経理部内でオリンピック期間は1週間のうち半分くらいはリモート勤務ができることを目標にしていました。本格的なリモート対応への着手は2020年2月に会社がリモート体制になった時からですが。

── どのような業務をリモート対応にしたのでしょうか?

 社内全体の取り組みとしては、2019年10月にワークフローツール(以下「WF」)の変更を行いました。旧WFでは、仕様上、請求書や領収書をWF内にデータ添付することができず、社内メンバーにデータ形式の請求書や領収書を印刷して紙で提出してもらう必要があり、当該業務のために出社が必要な状態でした。

 WFの変更で請求書等提出のため社内メンバーの出社が不要となり、経理部も仕訳元資料をデータ形式で申請部署から入手できるようになりました。

    経理部内の取り組みとしては、紙を前提にした業務を減らすことをすすめました。
 特に仕訳伝票については、データ形式で受領している請求書等の仕訳元資料を印刷してファイリングしていたため、リモートで業務をできるようにするには、これを変える必要がありました。

 そのため、2021年5月に新しい会計システムを導入して、会計システム上に電子データ形式で仕訳元資料を添付できるようにしました。これによってデータ形式の仕訳元資料の印刷とファイリングは不要となりました。

 また、クラウドのシステムを導入したため、従来使っていたサービスよりもオフィス外からの接続時の動作が軽くなり、自宅でも快適に作業ができるようになりました。

 ただ、2020年2月の会社のリモート体制から2021年5月の会計システム導入までの期間は、上記のような完成されたフローで業務ができなかったため、経理部メンバー内で工夫して対応していました。例えば、仕訳元資料をPDFデータにしてイントラ内に保管して経理部内で確認したり、出社時にまとめて仕訳資料を印刷してファイリングしたりしました。

 社内メンバーは出社時に自分の担当以外の領域でも他のメンバーが楽になる業務はみんなすすんで対応してくれたので、なんとかリモート中心の体制でも業務をすることができました。

 また、SRE(インフラ)チームにはすごく感謝してます。社内イントラやVPNが切れなくて常に使いやすいですし、経理部がリモート体制で勤務する上で、柔軟かつスピーディに対応してもらえたのも大きいです。

── 業務改善されて経理メンバーの働き方も変わりましたか?

 働き方の自由度が増しました。オフィス出社前提だったのが、どこでも働けるようになり、仕事とプライベートの両立がよりできるようになったと思います。

福岡市内の大濠公園でよく散歩をするという。

── 藤田さんも昨年末福岡に移住されましたよね! 移住されていかがですか?

 移住先でも快適に仕事ができています!
 社会人になってから東京以外で生活したことはなかったのですが、地方で生活をするとその地方の良さがわかったりしてオンオフのメリハリがつくようになりました。

 いままでの働き方では転勤以外で移住するケースはなかなか無かったと思いますが、住みたいところを自由に選んでその環境で働けることは非常に素晴らしいことだと思います。

 今後、他の地方でも暮らしてみたいなと思いました。

── ピクスタがここまで柔軟に変化できた要因はなんだと思いますか?

 ピクスタが展開するサービス自体、クリエイターに対して、働き方の自由を提供していますし、好きなときに好きな場所で働くという価値観が社風にも反映されているのだと思います。従業員と会社が同じビジョンを描けていて良いですね。

 それと、ピクスタは新しいことを導入する時に受け入れられやすい風土で、改善提案がしやすいと思います。例えば、新しいWFの導入は、短期的にはシステム利用者の負担が増えることになりましたが、添付資料がデータで保管され、中長期的には会社全体としては良い改善になることを理解し、受け入れてくれました。

 成功するか不確実なことでも挑戦して、仮に失敗してもそれを受け入れて次の取り組みに生かすという姿勢がメンバー内に共有されているからかなと思いました。

今後の経理財務部について

── 今取り組んでいることや、これからやろうとしていることはありますか?

 引き続きWFの改善を行う予定です。

 また請求業務、入金管理、督促業務といった定型業務をアウトソースすることも検討しています。そうすることで、社員はより付加価値の高い業務、例えば事業部のサービス設計等に時間を割くことができますよね。

 経理に限らず、今後定型業務はAIなどに置き換わっていくと思います。そうなっても大丈夫なように、メンバーには自身の市場価値を高めていってほしいので、付加価値をつけられるような業務をして成長してほしいと思っています。

── 経理財務部は会社でどのような存在でありたいですか?

 社内・社外へサービスを提供する部署なので、常にクオリティを高めていきたいです。また、環境が変わると、求められるニーズも変わるので、敏感に感じ取って対応していきたいです。

 経理は、業務を安定的に正確に行うことが大事ではありますが、それを確保した上で変化し続けることに対しても前向きでありたいと思います。

 ピクスタはこれからどんどん新規事業を生み出していくフェーズに差し掛かっています。経理としても新規事業の成長に向けて積極的にサポートしたいと思っています。

 

(インタビュー:人事総務部  細谷圭野、鈴木瑞穂 執筆:人事総務部 細谷圭野 撮影:人事総務部 鈴木瑞穂)

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