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timesの何気ない発言から始まった~AI時代の新検索支援「PIXTA検索アシスタント」誕生背景〜

リモートワークだとイノベーティブなことは起きなさそう…
スピーティーな意思決定や開発ができるのは創業間もないスタートアップぐらいだよね。そんな思い込みはありませんか?

ピクスタでは、たったひとりの「独り言」から翌週には海外出張が決まって、その翌週には海外に飛んで機能開発してきた、なんて事が起きています。今回はプロダクト企画部の河添※2の何気ないtimes※1の発言が発端となり、OpenAI APIと連携したユーザーの求めるイメージの具体化を支援する「PIXTA検索アシスタント」が誕生しました。

独り言から実際の機能リリースまでたったの約2ヶ月。
実際に社内で何が起きて、こうなったのかをご紹介します!

PIXTA検索アシスタントについて詳細はプレスリリースをご覧ください。

※1 timesとは
 事業やチーム、部署ごとのチャンネルとは別であり、個人でチャンネルを設け自由に発信できるSlack上のチャンネル。投稿頻度や内容にルールはなく、業務だけでなくプライベートなことも含めて自由に投稿し、社内版X(旧Twitter)のように活用されている。一般的には分報とも呼ばれる。

※2 河添 順一(Junichi Kawazoe)
PIXTA事業本部 プロダクト企画部

2016年、大学3年生の時にインターン生(アルバイト)としてピクスタに入社。デザイナーとしてPIXTAサイトの改善やコーポレートサイトの制作などに従事。2018年4月に正社員として入社し、現在ではPIXTAの様々なプロジェクトに携わり、デザイナー業だけでなく、プロジェクトマネージャーとしても活躍。現在はプロダクト企画部に所属している。

「PIXTA検索アシスタント」誕生までの時系列

timesでのアイデア発言からリリースまで約2か月!

はじまりはtimesだった

 2023年12月6日、河添が自身のtimesでPIXTAの検索機能に関する新しいアイデアを発言しました。

 つまり、抽象的なイメージしか持っていない状態でも、AIと対話していく形式の素材検索ができれば、購入者が求める素材とのマッチングの精度がより高まることで、「求めている素材を見つけたい」というユーザーのニーズに対してより良い課題解決ができるというアイデアです。

PIXTAでは購入者の求める素材を、より早く、より的確に見つけることができるように検索機能を改善してきた一方で、「検索を始めるための検索ワードが思いつかない」という課題は解決できていませんでした。そのような課題が発生する背景には「自分自身は知識をあまり持っていないものに対して、ストックフォトを利用する場合がある」というPIXTAユーザー特有の事情が存在すると考えています。

ここでのPIXTAユーザーの例として「ウェブ制作会社のデザイナー」を考えてみましょう。請け負う仕事の業界は様々でありながら、それらの業界に対して知見が深まっていない状態でストックフォトを利用するというパターンが考えられます。

一般的な検索では、自分の頭の引き出しにある単語を組み合わせて検索を行います。しかし、PIXTAの検索では自分の専門性とは異なる、頭の引き出しにない単語を使って調べる必要がある、という状況が発生します。

そうした環境では、対話形式で検索することによって、ざっくりとしたイメージから必要な素材のイメージを具体化し、マッチする素材を探索することが可能となり、検索ワードが思いつかなくても適切なストックフォトにたどり着くことができます。

アイデアにCTO兼PIXTA VIETNAM代表小張が「やりましょう👍」と呼応

 timesでのアイデア発言から1週間も経たない12月14日には、CTO小張が河添にベトナムへの出張を提案しています。

その次の日には日程が確定しました。

 12月20日に河添は開発拠点の機能を持つグループ会社であるPIXTA VIETNAMに出張に行きました。現地で検索機能を開発するエンジニアメンバーと約2日間でコア機能の開発を行いました。

 「PIXTA検索アシスタント」の開発実務だけでなく、PIXTA VIETNAMとの連携によりPIXTA VIETNAMの社内の雰囲気等の組織文化面や彼らの仕事へのスタンス、価値観を再認識したとのことです。そして、ピクスタ株式会社とPIXTA VIETNAMの協創関係を今後さらに強固にしていくための重要なヒントも得ることができたそうです。

河添さんへインタビュー

 ーー今回の件で体験した学びや気づきを教えてもらえますか?

 すっかり「AI活用」という言葉が一般的になり、私自身、ChatGPTや画像・映像・音楽生成AIを利用する機会が多くなった1年ですが、「AIを活用してサービスを提供する」という経験は、この機能をリリースするまでありませんでした。その視点でPdM・デザイナーとしてプロダクトに関わったことで、PdMとして「課題解決の際にAIを活用する」というアイデアを現実的に持つことができたなと感じています。

「検索を始めるための検索ワードが思いつかない」という課題もそうですが、昔からPIXTAに存在する課題であるものの、様々な事情で解決できていないものが、まだまだPIXTAには存在しています。
AIを活用することで、今まで想像していなかった新しい形で課題解決ができる可能性がある、ということを肌で感じたことによって、課題解決のためのアイデアの選択肢が増えたのは大きな学びだと思います。

気づきという点では、ベトナムチームのことを深く知ることができた、というのが良い気づきであったと思います。

今まで、個別のタスクレベルではベトナムチームのメンバーと関わることはあったのですが、オンサイトで共に働くことでベトナムチームの価値観やプロダクトに対する思いを知ることができました。
個別のタスクを軸にし、オフサイトでやりとりするだけの関係だと「作業者と作業をお願いする人」のような関係となってしまうことが多々あります。個別のタスクレベルの話であれば、そのような関係でもある程度成り立つと思います。しかし、一つのプロダクトに向き合うチームとして仕事をするのであれば、それだけでは不十分であると考えています。

価値観を知ることで、チームで一つのプロダクトに向き合うにあたって、どんな情報を伝えればいいかという話であったり、プロダクト開発をどんな形で進めればいいのか、といったことなどを円滑に進めることができます。

実はこのプロジェクトのあと、本格的にベトナムメンバーと一緒にプロダクト改善に取り組んでいるのですが、その中でもこのときに得られた気づきは活用されています。

 ーー最後に、河添さんから未来の仲間へメッセージをお願いします!

 PIXTAはまもなく18年目を迎えるサービスです。売上的にも堅調に推移しており安定はしているものの、今回の記事のテーマにも関連する「AI活用」という大きな波によって、安定だけなく大きく変化をしていくべきタイミングでもあります。

 AIが普及してきた今、多くのサービスの体験はAIによって徐々に変わってきており、AI活用がトレンドではなく当たり前になりつつあることを実感しています。PIXTAでもそういった変化に対応し、いかにして購入者のニーズとクリエイターが制作した作品をマッチングしていくのかを模索し続ける必要があると考えています。

 また、2022年以降の画像や動画の生成AIの技術進歩が著しく、クリエイティブと生成AIの関係や、クリエイティブにおける生成AIの立ち位置や価値は日に日に変わっており、PIXTAというプロダクトはその変化のど真ん中の立ち位置にいます。

 関わるステークホルダーを取り巻く市場や環境が大きく変化していく中で、ユーザーやプロダクトの課題にフォーカスし、あらゆる方法によって課題解決に取り組み、プロダクトの成長へと繋げていくことが、今のPIXTAには重要なことだと私は考えています。

特に「ユーザーやプロダクトの課題にフォーカス」という点は非常に重要視しており「単純にトレンドだからAI活用をする」というわけではなく、購入者やクリエイターの方々とのインタビューといった定性的な情報や、PIXTAに蓄積された定量的な情報などから課題を特定しています。

環境が大きく変化し、答えが作られていく中で、しっかりと課題にフォーカスし、プロダクトを成長へと繋げていくということは、言うは易し行うは難しな取り組みです。しかし、そのような難題に取り組むことが好きな方には絶好の場所だと思っています。

PIXTAでは難易度が高くチャレンジングな取り組みをしながら、新しいプロダクトの未来を共に描いていく仲間を求めています!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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