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より充実した人生への手がかり|『イノベーション・オブ・ライフ』

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ピクスタのブレーンである経営陣やリーダーたちが影響を受けた本を紹介するコーナー。今回、紹介するのは、戦略人事部長 秋岡和寿よりこの一冊です。

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

  • 作者: クレイトン・M・クリステンセン,ジェームズ・アルワース,カレン・ディロン,櫻井祐子
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 単行本
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秋岡和寿 (Kazutoshi Akioka)

ピクスタ株式会社 コーポレート本部 戦略人事部 部長

神戸大学経営学部卒業。新卒で住友電気工業株式会社に入社し、法人営業、生産・業務企画に4年従事。2005年に株式会社グロービスに転職し、人材育成・組織変革コンサルティングを行う傍ら2012年にMBAを取得。2014年にピクスタ株式会社に入社し、人事責任者として上場前から上場後における組織体制構築や採用強化、人事制度設計、組織開発など人事・労務・総務全般に関わる業務を遂行している。

どんな本か

人生の目的の確立、キャリア選択、家族や友人などのプライベートな人間関係、子育てなど人生の根源的な問題で、かつ、ジレンマが生じる重要な人生テーマに対して「どのように考えるべきか」を説いた本。人間心理への深い洞察に支えられた経営理論をあてはめて考えることを通じて、より充実した人生を送るための指針や視点を与えてくれる良著。

所感

本書はさまざまな側面で有益な示唆をもたらしてくれます。読後感としては、より豊かで充実感に満ちた生き方をするためのヒントを得て視界が広がる感覚、そして未来を自らの力で切り拓いていく勇気とワクワクする気持ちが湧いてきます。その感覚をぜひ多くの人に味わってほしいです。どう生きていくべきかに悩んだ時に力になってくれるはずです。

私自身は、数多く得られた示唆の中でも、特に第2講「わたしたちを動かすもの」で、「組織づくりで大切にしたい根本的な考え方」への示唆、「自分自身のキャリアのあり方や大切にしたい価値観の認識」への示唆を得られ、非常に感銘を受けたので以下に紹介したいと思います。

組織づくりを担う経営チームの一人として

ピクスタの組織づくりで、大切にしている根本的な考え方への示唆(=メンバーひとりひとりの人生全体という観点から捉えること)を得られました。

『わたしがあのとき目にしたのは、いつもとまったく違うダイアナだった。わたしはダイアナと夫が二人の子どもたちに深い愛情を注いでいる様子に、心打たれた。このようなダイアナの姿を垣間見たことで、彼女を人生全体という観点からとらえるようになった。研究員としての姿が、彼女のすべてではなかった。彼女は母であり、妻でもあった。彼女の気分や幸せが、また自尊心が、家族に大きな影響をおよぼしていた。』

引用:『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』P.30より 

『自分にとって本当に意味のある仕事、興味深くやりがいがあって、職業的に成長できる仕事、責任や権限の範囲を拡大する機会を与えてくれる仕事。そんな仕事ができる職務を経験した人もいるだろう。これらがあなたを動機づける要因であり、仕事への愛情を生み出す要因なのだ。わたしは教え子たちに、こうした要因を求めてほしいと願っている。これらが、毎朝うんざりしながら仕事に向かうか、わくわくした気持ちで向かうかの違いを生むからだ。』

引用:『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』p.38より

ここを読んで、ひとりひとりのメンバーの二度ない大切な人生に日々向き合っている、その厳然たる事実に改めて気づかされました。メンバーひとりひとりが、自分の人生がより豊かになると確信をもって、ピクスタで働くことを能動的に選択をしている感覚をいつも持ってもらえるような組織づくりをしていかないといけないと。自分の持ち味を活かしながら働ける、達成感を得られる、仲間と一緒にものごとに取り組みやり遂げられる、学べて成長できる、といった感覚をメンバーひとりひとりが体感し続けられる組織づくりを追求していく責任を担っているのだと改めて深く肝に銘じる示唆を得られました。

一人のビジネスパーソンとして

ぼんやりと考え続けてきた自身のキャリアのあり方や大切にしたい価値観をはっきりと認識できて、自分自身を変える勇気と変える方向性への示唆を得られました。 

4年前、キャリアに迷いが生じはじめていた時に、心から信頼する同志と言える友人に紹介してもらって本書を手に取りました。

その頃、「人がよりよい人生を送れるように勇気をもって一歩を踏み出せる本質的かつ本気の後押しをしたい。その純粋な想いに真正面から向き合いたい」という想いを胸に、「経営×人・組織」の領域で人材・組織コンサルタントとして9年近く経験を積んできていましたが、日々の仕事に充実感は感じながらもどこか自分の気質や価値観にしっくりこない違和感を持ちはじめていた時でした。

 その時に、以下の部分を読んで、その違和感がどこにあるかがはっきりわかりました。

『わたしの上の二人の子どもは、ハーズバーグの動機づけ理論の重要な側面に気づかせてくれた。…(中略)…ところがいざプレイハウスが完成すると、子どもたちはめったになかで遊ばなかった。実のところ、彼らを動機づけていたのは、自分たちの家を『手に入れたい』という願いではなかった。家を『建てる』という行為と、自分がそれに貢献しているという自覚が、満足感を与えたのだ。それまでわたしは、大事なのは終着点だと思っていた。だが実は、そこに向かう道のりにこそ意味があったのだ。』

引用:『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』p.42より

「そうか。自分自身を動機づけ満足感を与える要素は、“行為=関わり方そのもの”と“貢献している自覚”にあるのか」と。コンサルタントという関わり方は、どうしても最後は第三者の立場になりがちです。そこに自分の違和感があったことに気づきました。自分は第三者の立場ではなく、泥臭く自ら汗をかき直接的な手応えを感じながら仕事をしたいのだと、自身のあり方に関する気質や価値観を明確に認識することができました。 

そして、もうひとつの気づき。

『人のためになる仕事をするには「経営者」になればいいのだと。マネジメントとは、立派に実践すれば、最も崇高な職業の一つだ。経営者は自分のもとで働くひとり一人から、毎日八時間ないし十時間という時間をあずかる立場にある。また従業員が毎日仕事を終えて、よい一日を過ごした時のダイアナのように、動機づけ要因に満ち溢れた生活を送っているという満足感を抱きながら家に帰れるよう、ひとり一人の仕事を組み立てる責任を担っている。動機づけ理論が自分にあてはまるのならば、自分のために働いているくれている人たちにも、動機づけ要因に満たされる仕事を与えなくてはいけないと、わたしは思い知ったのだ。』

引用:『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』p.43より

「そうか。直接的な手応えを感じながら人のためになる仕事をしたいなら、経営者になればいいのか。共に働く仲間の幸せづくりについて、非常に大きな影響力と責任を持ち、幸せをもたらすべき存在になるということなのだ」と。ひとりひとりの人生のよしあしに影響を及ぼす非常に責任の重たい仕事ですが、だからこそ、人生の貴重な時間を投下して努力して向き合う価値があることなのだと確信を持つに至りました。


これら、本書から得た「メンバーひとりひとりの人生全体という観点から捉えること」、「人を動機づけるのは終着点ではなく道のりにこそ意味があること」、「経営者は働く仲間に幸せをもたらすべき存在である」という示唆はピクスタの組織づくりを担う自身の根本的な価値観に大きな影響をもたらしてくれていると感じています。 

(執筆:戦略人事部 部長 秋岡和寿)